2025/ 07/ 15

ウォールシェルフができるまで

■はじめに

これまでアルメタックスは、下地にしっかりとネジ止めするような商品はたくさん開発してきましたが、賃貸の方でも気軽に使えるDIY商品がありませんでした。
今は賃貸で暮らす人も多く、みんなそれぞれが自分らしい部屋にしたいと考えています。
私たちは、そういう方々の力になりたい!!
そこで、私たちが新しく作ったウォールシェルフは、「賃貸だから取付けられない」という諦めをなくしたいという思いから生まれました。
賃貸住宅でも、壁にネジ穴をあけず、石膏釘だけで簡単に取付けられて、しかも見た目も美しい。そんな棚があったら、きっと暮らしが変わるはずだと考えました。


■課題

賃貸住宅にお住まいの方々は、壁に大きな穴をあけることに強い抵抗を感じており、石膏釘程度の小さな穴で済む手軽な製品への潜在的なニーズが非常に高いことが分かりました。
見た目美しい棚の多くはネジ固定が一般的で賃貸向けではありません。
賃貸対応の石膏釘で固定する製品は棚の形がL型で木調の意匠のものが多く見られ、すっきりとしたデザインとは言い難いものばかりでした。
そこで、棚の形は“極力薄くすっきりとしたデザイン”かつ、“石膏釘で固定する棚”を開発することにしました。


■開発プロセスの裏側

棚の形を薄くすればするほど耐荷重が低くなってしまうのが最初の課題でした。
強度解析や荷重試験を繰り返し、本体と受け具の最適な断面形状とそのバランスを発見し、目標としていた極力薄く耐荷重も満足できる棚の形を実現することができました。

次に課題となったのが「端部キャップの仕上げ」です。ここが一番苦労しました。
アルミの加工をお願いしている製造チームの方から「これまでにない精密さが必要な部品なので、相当な技術と時間を要する加工になる」と消極的な意見がありました。
初回の試作品で私たちが求める精度を実現するには、さらなる工夫が必要であることが判明しました。
そこから、製造チームと私たち商品設計チームの積極的な共同作業が始まりました。
「0.1mm単位での微調整を行う」、まさに熟練の技術が求められる工程です。
設計担当の私自身も何度も製造現場に立ち会い、製品として使える寸法になるまで、やすりを手に取り、一緒に調整作業を行いました。
面取り作業もまた、人の手でしか実現できない繊細さが求められました。機械を使用しますが、最終的な調整は全て手作業。特に角の部分は、お客様がケガをしないよう、一つひとつ丁寧に手で仕上げています。その結果、「お客様に喜んでもらえる製品を作りたい!」という私たちの想いを理解してくれた製造チームとの協働により、理想的な仕上がりを実現することができました。
妥協のない品質は、製造チームの高い技術力があってこそ成し得たものでした。

■こだわりポイント

私たちが一番誇りに思うのは、端部のキャップを含めたアルミの素材感を生かした意匠です。
他のメーカーの商品は、コストを下げるためにプラスチックのキャップを使っていることが多いのですが、私たちは本体と同じアルミで作りました。
確かにコストはかかりますが、全体が統一された美しい仕上がりになりました。
アルミのキャップは本体と同じ表面処理をしているので、経年で色が変わることもありません。


■今後の展望

ウォールシェルフは、ただの棚ではありません。「住む場所は、自分らしさを表現する大切な場所」ということを伝えたい商品です。
賃貸の方でも気軽に使えるDIY商品をもっと増やしていきたいと考えています。今回のウォールシェルフで採用した石膏釘固定の技術を使って、ハンガーラックやフック、小物入れなど、いろんなアイテムを作っていきたい。最終的には、アルメタックスの賃貸向け商品で、お客様に自由で理想の部屋を作っていただける品揃えにしたいです。

 

■最後に

壁に付ける収納からちょっとした便利グッズまで、全部まとめてコーディネートできるような商品を作り、一人でも多くの方に、新しい収納の良さを感じてもらえたら嬉しいです。そして、「賃貸だから・・・」という理由で諦めるのではなく、自分らしさを表現する大切な場所を作ってもらいたいと願っています。

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ウォールシェルフ

 

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