こんにちは。
今回は「ALCOLOLO KAWARABACHI」についてご紹介したいと思います。
■はじめに
ALCOLOLOシリーズは、「未来の環境を考えた商品」をブランドポリシーのひとつとして、サステナブルな商品の開発を行ってきました。
シンプルモダンな空間に合うサニタリーアイテムを主に展開していましたが、どうしても“洗面商品”の軸となるアイテムが不足していることに気づきました。
そんな時、弊社の滋賀県にある栗東資源循環センターでリサイクルされていた“瓦”に目が留まりました。滋賀県といえば、日本六古窯で有名な伝統的な焼き物「信楽焼」の産地でもあります。そこで、センターで発生した「瓦の粉砕末を含有した信楽焼の洗面鉢」という、新しいチャレンジがスタートしました。
■はじめてづくしの陶器開発
実は、私たちにとって陶器の商品開発は初めての経験。手探りのなか、まずはΦ250mmのコンパクトな手洗鉢から取りかかりました。
信楽の職人さんや技術機関と信頼関係を築きながら、少しずつ知識と経験を積み重ね、やがてΦ350mmの洗面鉢の商品化も実現しました。
再生材を含む信楽焼の手洗鉢というのは前例のない試み。強度は大丈夫か？デザインは美しく仕上がるのか？――そんな不安を抱えながら、幾度となく試作と検証を重ねてようやく納得いく仕上がりにたどり着いたのです。
■信楽焼らしさとシンプルモダンの両立
工芸品である信楽焼は、温かみや重厚感のある仕上がりが特徴で、ひとつひとつの個性が価値とされる焼き物です。
それに対して、ALCOLOLOのブランドイメージはシンプルモダン。目指すのは、余計な装飾を省いた洗練されたデザインですが、信楽焼でそのデザインを表現するのがとても難しかったです。
例えば、「シャープでスリムな形に仕上げること」「瓦に含まれる黒点のバランス」「マットで上質感のある表面仕上げにすること」「アースカラーの絶妙なニュアンスを焼き物で表現すること」など。
これらはすべて、焼き上がるまで結果がわからない世界。ほんの少しの条件の違いで、まったく違う仕上がりになる。まさに、焼き物の奥深さとも向き合った開発でした。
■KAWARABACHIのこだわり
「KAWARABACHI」は、信楽の職人さんが一つひとつ手作業で製作しているため、どれも表情が少しずつ異なります。それがまた、大量生産にはない魅力でもあります。
なかでも特徴的なのが、リサイクル瓦によって生まれる黒点模様です。これは工業製品ではなかなか出せない自然な風合いで、素材の背景や物語を感じさせてくれます。
さらに、「KAWARABACHI」は全6色のカラーバリエーションをご用意しており、自然なアースカラーを中心に、空間や好みに合わせて選ぶ楽しさもあります。
また、「KAWARABACHI」をより美しく引き立てる周辺アイテムにもこだわりました。
・化粧蓋：排水口を隠す専用の「化粧蓋」。設置すると、より生活感のない洗練されたデザインになります。
・オーク材カウンター（※Φ250用）：ウイスキー樽の再生材を使ったΦ250mm専用天板。手触りの良いオーク材は、深みのある味わいと高級感を感じさせてくれます。
▼化粧蓋・オーク材カウンター使用イメージ／Φ250mm／グレー
■徹底した品質検証
見た目のデザインや素材だけでなく、性能面も抜かりなく確認しました。
・瓦の粉末を混ぜた陶器の強度試験（信楽窯業技術試験場にて実施）
材料の配合を変えたサンプルをいくつか作成し、荷重を加えて最適な配合を検証。
・化粧蓋付きでの排水・水はね検証
化粧蓋の形状や排水部分の隙間を調整し、問題ないことを確認。
・オーク材カウンターやブラケットの耐荷重テスト
実際の設置条件に近い状態を再現し、重りを乗せて使用上問題ないことを確認。
「美しいだけでなく、安心して長く使える」こと。
それがALMETAX STOREが大切にしているものづくりの考え方です。
■今後の展望
「KAWARABACHI」は、現在2サイズ、6色のカラーバリエーションをご用意しています。今後もさらにサイズやカラーのバリエーションを増やしていきたいと考えています。
また、手洗鉢だけにとどまらず、焼き物を使った他のプロダクトも検討中。より多様なライフスタイルに応える商品ラインアップを目指してまいります。
■さいごに
環境へのやさしさ、手仕事の温もり、そして空間に調和する美しいデザイン。
「KAWARABACHI」は、そんな思いを込めて作られた、ちょっと特別な手洗鉢です。
暮らしの中にそっと馴染みながら、長く愛着をもって使っていただけたら嬉しいです。
ぜひ、実際に手に取って、その質感や風合いを感じてみてください。
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・ALCOLOLO KAWARABACHI
