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自宅で過ごす時間が増えた今、「リビングをもっと心地よく、特別な空間にしたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。そんな願いを叶えるのが、ホテルのような洗練された「ホテルライク」なインテリアです。しかし、いざ実現しようと思っても、何から手をつければ良いのか分からないものです。
この記事では、誰でも実践できる、リビングをホテルライクな空間に変えるための具体的な7つのポイントを詳しく解説します。カラーコーディネートの基本から、家具の選び方、照明の使い方まで、あなたのリビングをワンランク上の上質な空間へと導くヒントが満載です。ぜひ最後までご覧いただき、理想のリビング作りの第一歩を踏み出してください。
■そもそもホテルライクなリビングとは?
「ホテルライク」なリビングと聞くと、どのような空間を思い浮かべるでしょうか。単に豪華なだけでなく、そこには計算された美しさと心地よさが共存しています。ここでは、ホテルライクなリビングが持つ本質的な特徴について解説します。
高級感と非日常感を演出する空間
ホテルライクなリビングの最大の魅力は、足を踏み入れた瞬間に感じる「非日常感」です。 日常生活から少し離れ、まるで旅行先の高級ホテルで過ごしているかのような特別な時間を提供してくれます。これは、厳選された上質な家具や、光と影が織りなす美しい照明、そして細部までこだわり抜いた素材感によって生み出されます。
派手な装飾で飾り立てるのではなく、シンプルながらも質の良いものを選ぶことで、品のある高級感が生まれるのです。
生活感をなくし洗練された印象
ホテルの客室が常に美しく整っているのは、余計なものが一切置かれていないからです。 ホテルライクなリビングも同様に、「生活感のなさ」が非常に重要な要素となります。
物が少なく、整理整頓されていることはもちろん、配線や日用品などが巧みに隠されていることで、空間全体がすっきりと洗練された印象になります。この非日常的なまでの整然さが、訪れる人にも、住まう人にも、心の静けさと落ち着きをもたらしてくれるのです。
■ホテルライクなリビングを実現する7つのポイント
憧れのホテルライクな空間は、いくつかのポイントを押さえることで自宅のリビングでも実現可能です。ここでは、特に重要な7つの要素を、具体的な方法と共に詳しくご紹介します。
統一感を出すためのカラーコーディネート

空間の印象を大きく左右するのが「色」です。ホテルライクな空間を作るには、色数を絞り、部屋全体に統一感を持たせることが基本となります。
具体的には、白、黒、グレーといったモノトーンや、ベージュ、ブラウンなどの落ち着いた色をベースに選びましょう。 そして、アクセントとして1〜2色を加えるのがおすすめです。色の配分は、以下の表を参考にしてみてください。
色の種類 | 役割 | 配分(目安) | 具体的なアイテム |
ベースカラー | 天井・壁・床など空間の大部分を占める色 | 70% | 壁紙、フローリング |
メインカラー | ソファ・カーテンなど主役となる家具の色 | 25% | ソファ、カーテン、ラグ |
アクセントカラー | クッション・小物など空間を引き締める色 | 5% | クッション、アート、花瓶 |
このバランスを意識するだけで、まとまりのある洗練された空間に近づきます。
開放感を演出する家具の選び方と配置
ホテルライクなリビングは、ゆったりとした開放感も特徴です。家具を選ぶ際は、デザインだけでなく、サイズ感や配置にも配慮が必要です。
背の低い家具を選ぶと、視線が抜け、部屋全体が広く感じられます。 例えば、ローソファやローテーブルは、圧迫感を軽減するのに効果的です。また、家具を配置する際は、「シンメトリー(左右対称)」を意識すると、空間に安定感が生まれ、整然としたホテルらしい印象になります。 ソファの両脇に同じデザインのサイドテーブルとスタンドライトを置く、といった簡単な工夫で、一気にフォーマルで上質な雰囲気を演出できます。
ムードを高める照明計画

ホテルの空間演出で欠かせないのが「照明」です。部屋全体を均一に照らすシーリングライトだけでなく、複数の照明を組み合わせる「多灯照明」を取り入れることで、空間に陰影と奥行きが生まれます。
特に、壁や天井を照らしてその反射光で周囲を明るくする「間接照明」は、ホテルライクな雰囲気作りの鍵となります。 テレビの背面やソファの下、天井の縁などに仕込むことで、柔らかな光が広がり、リラックスできるムーディーな空間を演出します。 明るさを調節できる調光機能付きの照明を選ぶと、時間帯やシーンに合わせて光をコントロールでき、さらに豊かな表情を楽しめます。
高級感を醸し出す素材の選び方
空間に上質な雰囲気をもたらすためには、素材選びも重要です。光沢のある素材や、天然素材を取り入れると、高級感がぐっと高まります。
例えば、床材に大理石調のタイルを使ったり、壁の一部に光沢のあるアクセントウォールを取り入れたりするのがおすすめです。 また、家具ではガラス製のテーブルや、レザーのソファ、金属製の脚を持つ椅子などが、シャープで洗練された印象を与えます。異なる素材を上手に組み合わせることで、空間に深みと豊かな表情が生まれます。
素材の種類 | 与える印象 | 取り入れやすいアイテム |
ガラス・メタル | シャープ、モダン、洗練 | コーヒーテーブル、サイドテーブル、照明器具 |
レザー(本革・合皮) | 重厚感、高級感、落ち着き | ソファ、チェア、クッション |
大理石・石材調 | ラグジュアリー、清潔感、フォーマル | 床材、壁材、テーブルトップ |
ウッド(濃色系) | 温かみ、落ち着き、シック | 家具、床材、建具 |
生活感を隠すための収納術
ホテルライクな空間を維持するためには、いかに「生活感」を隠すかが鍵となります。リモコンや雑誌、子どものおもちゃなど、日常的に使うものは、扉付きの収納家具にしまう習慣をつけましょう。
収納を選ぶ際は、壁の色と馴染むデザインにすると、圧迫感がなく空間に溶け込みます。また、見せる収納を取り入れる場合は、ディスプレイするアイテムを厳選し、余白を十分に取ることが大切です。美しいデザインの洋書や、お気に入りのオブジェなどを間隔をあけて飾ることで、まるでギャラリーのような洗練された一角を作ることができます。
空間を彩るアートやグリーンの取り入れ方

シンプルにまとめた空間に、アートやグリーンをプラスすると、空間が生き生きとし、オリジナリティが生まれます。アートは、大きなものを一つ飾ると、空間のフォーカルポイント(視線が集中する場所)となり、部屋全体が引き締まります。
選ぶアートの色を、クッションなどのアクセントカラーとリンクさせると、統一感を出しやすいでしょう。また、観葉植物などのグリーンは、無機質になりがちな空間に生命感と癒やしを与えてくれます。お手入れが簡単なものから、少しずつ取り入れてみるのがおすすめです。
五感を満たす香りの演出
ホテルのロビーに足を踏み入れた時、ふわりと良い香りがすると、それだけで特別な気分になることはありませんか。視覚だけでなく、嗅覚に働きかけることも、上質な空間作りには欠かせません。
お気に入りのアロマディフューザーやルームフレグランスをリビングに置くことで、自宅ならではのシグネチャーセント(その場所を象徴する香り)を作ることができます。リラックスしたい時はラベンダー、リフレッシュしたい時はシトラス系など、気分に合わせて香りを選ぶのも楽しいでしょう。
■【実例紹介】おしゃれでホテルライクなリビングコーディネート
ここでは、具体的なコーディネート事例を3つのテイストに分けてご紹介します。ご自身の理想に近いスタイルを見つける参考にしてください。
モダンでシックなリビング事例

黒やグレーを基調とし、直線的なデザインの家具でまとめたスタイルです。無駄を削ぎ落としたミニマルな空間に、間接照明が落とす陰影が美しく映えます。 大開口の窓や吹き抜けを取り入れると、ダークトーンでまとめても開放感が損なわれません。 まさに都会の高級ホテルのような、洗練された大人の空間です。
ナチュラルで温かみのあるリビング事例

ベージュやアイボリーをベースに、木や石といった自然素材をふんだんに使ったスタイルです。柔らかな色調と素材感が、心からリラックスできる温かみのある雰囲気を醸し出します。観葉植物のグリーンをアクセントに加えることで、さらにナチュラルで心地よい空間になります。リゾートホテルのような、開放的で癒やしに満ちたリビングです。
ラグジュアリーで華やかなリビング事例

光沢のある素材や、ゴールド・シルバーといったメタリックカラーをアクセントに取り入れた、華やかで高級感のあるスタイルです。大理石調の壁や床、ベルベット素材のソファ、シャンデリアのようなデザイン性の高い照明などが、空間をドラマティックに演出します。 まるで海外のブティックホテルのスイートルームのような、非日常的で贅沢な時間を過ごせるリビングです。
■ホテルライクな空間作りにおすすめのアイテム

最後に、取り入れるだけでリビングの印象を格上げしてくれる、おすすめのアイテムを3つご紹介します。
デザイン性の高いソファ
リビングの主役であるソファは、空間の印象を決定づける重要なアイテムです。シンプルながらも、脚部のデザインが美しいものや、張地の素材に特徴のあるものなど、ディテールにこだわって選びましょう。座り心地はもちろん、どの角度から見ても美しいデザインのソファは、リビングの格を一段と上げてくれます。
上質な素材のラグ
ラグは、床の印象を変え、空間に温かみとまとまりを与えてくれるアイテムです。毛足が長く、光沢のあるシャギーラグや、目の詰まったウールラグなどは、足触りが良いだけでなく、高級感も演出できます。ソファの色と合わせたり、逆にあえてアクセントカラーを選んだりと、色の組み合わせを楽しんでみてください。
ラグの素材 | 特徴 | 印象 |
ウール | 保温性・吸湿性に優れる。へたりにくい。 | 温かみ、ナチュラル、高級感 |
ナイロン | 耐久性が高く、遊び毛が出にくい。 | モダン、シャープ |
コットン | 肌触りが良く、吸水性に優れる。洗濯しやすい。 | カジュアル、ナチュラル |
シャギー | 毛足が長く、ボリュームがある。 | ラグジュアリー、モダン |
空間を演出する間接照明
前述の通り、間接照明はホテルライクな空間に不可欠です。 大掛かりな工事が難しい場合は、床に置くタイプのフロアスタンドや、棚の上に置けるテーブルランプから試してみるのがおすすめです。壁や天井に向けて光を当てるだけで、いつものリビングが奥行きのあるムーディーな空間に変わるのを実感できるはずです。
■まとめ
ホテルライクなリビングは、色使い、家具選び、照明計画といったポイントを押さえることで、誰でも実現することができます。 本記事で紹介した7つのコツを参考に、まずは一つでも取り入れやすいものからチャレンジしてみてください。日々の暮らしがより豊かになる、上質な空間作りを楽しみましょう。