目次

「ドアの開け閉めがしづらくなってきた」、「部屋の雰囲気を変えたい」、「バリアフリー化でドアの種類を変えたい」などの理由で検討し始める室内ドアの交換。
ご自身での交換を考えている方に向けて、DIYの方法や注意点、メリット・デメリット、主なドアの種類と費用の目安、業者への依頼がおすすめの場合などについてご紹介します。
現状かけられる予算や時間はもちろんですが、将来的にどのような暮らしを望んでいるのかなど、ご自身の状況に合わせて参考にしてみてください。
※こちらの引き戸はより高いデザイン性や静かな開閉を求める人におすすめの、プロ施工が必要なタイプです
■室内ドアを交換するタイミングとメリット

交換が必要になる主なケース
室内ドアは、長年の使用により様々な問題が発生します。交換を検討する主なタイミングは以下の通りです。
- 経年劣化
例)開閉時にきしみ音や異音がする/表面に傷、汚れ、塗装の剥がれが目立つ - 快適性・利便性の向上
例)採光性のあるドアで部屋を明るく/開閉方式の変更で生活動線を快適に - インテリアの一新
例)内装のDIYでドアの雰囲気が合わなくなった - ライフスタイルの変化
例)介護のためのバリアフリー化
自分で交換するメリット・デメリット
室内ドアの交換をDIYで行うことには、メリットとデメリットがあります。
【メリット】
- 費用を抑えられる
道具が揃っていれば材料費のみで済むため、コスト削減が期待できます。 - 自分好みにカスタマイズできる
市販のドアを選ぶだけでなく、自分でドアを製作したり、塗装やシート張り替えでデザインを自由にアレンジできます。
【デメリット】
- 失敗のリスク
採寸ミスや取り付け不良は、ドアの開閉不良、隙間風、異音、さらには建物の歪みに繋がる可能性があります。 - 時間と労力がかかる
ドアの取り外し、取り付け、微調整など、一連の作業にはそれなりの時間と労力を要します。 - ケガのリスク
重いドアの取り扱いには怪我のリスクがあり、適切な工具の使用も不可欠です。 - 保証がない
業者に依頼したときのような施工保証がないため、不具合が発生しても自己責任となります。
■室内ドアの主なタイプと特徴
室内ドアは大きく分けて「開き戸」、「引き戸」、「折れ戸」の3種類があり、それぞれ開閉方法や特徴、費用が異なります。
開き戸・引き戸・折れ戸の違い
【開き戸】

- 特徴
- 前後に開閉する最も一般的なタイプ
- メリット
- 気密性・遮音性が高く、プライバシー保護や室温維持に適している
- 種類が豊富で、価格も安価な傾向
- デメリット
- ドアが前後に開閉するスペースが必要なため、狭い場所では動線を妨げることがある
- ドアが前後に開閉するスペースが必要なため、狭い場所では動線を妨げることがある
【引き戸】

- 特徴
- 扉を横にスライドさせて開閉するタイプ。上吊り式は床にレールがないためバリアフリーに適している
- メリット
- 開閉のための前後スペースが不要で、開け放して部屋を広く使える
- 開口部を広くとれるため、車椅子での移動や大きな荷物の出し入れがしやすい
- 開閉時の音が静かな製品が多い
- デメリット
- ドアを引き込むための壁面(戸袋)が必要
- 開き戸に比べて遮音性や気密性が劣る場合がある

※こちらの引き戸はより高いデザイン性や静かな開閉を求める人におすすめの、プロ施工が必要なタイプです
【折れ戸】

- 特徴
- 扉がV字に折れ曲がりながら開閉するタイプ
- メリット
- 開閉スペースは開き戸の約半分で省スペース
- 開口部が比較的広く取れるため、バリアフリーにも向いている
- デメリット
- 開いた扉が出入り口の一部を塞いでしまう
- 引き戸や開き戸に比べてデザインの選択肢が少ない傾向にある
- 構造が複雑なため、費用が高額になることがある
▼こちらの記事も参考に
室内ドアの選び方で後悔しない!種類・デザイン・機能の基本を徹底解説 - ALMETAX STORE
費用・デザインの比較
【費用】
一般的に、開き戸が最も安価で、次いで折れ戸、引き戸の順に費用が高くなる傾向があります。ドア本体のみをDIYで交換する場合は、2・3万円~(ドア本体価格)で購入可能。
ドア枠ごとの交換を業者に依頼する場合は10万円前後~、開閉方式を変更する場合は20万円前後~が相場となるでしょう。
【デザイン】
デザインのラインナップが豊富なのは開き戸と引き戸です。
選ぶドアの素材(木製、樹脂シート仕上げ、アルミ製など)、カラー、ガラスの種類(すりガラス、透明ガラス、デザインガラスなど)によって空間の雰囲気はガラリと変わります。
天井まで高さのあるハイドアは、空間に開放感とスタイリッシュな印象を与えてくれます。
■ドア本体のみ交換する方法と注意点
ここでは開き戸を例に、実際にドア本体のみをDIYで交換する場合の手順などについて紹介します。
本体交換に適した状況とは
ドア本体のみの交換は、以下のような状況で適しています。
- 既存のドア枠に劣化や歪みがなく、再利用できる場合
- ドアの開閉方式を変更せず、同じタイプのドアに交換する場合
- ドアの表面的な傷や汚れが気になるだけで、機能的な問題がない場合
ドア枠に歪みがある、開閉方式を変更したい、または大幅なデザイン変更を伴う場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
交換前の注意点
DIYでのドア交換において、最も重要かつ失敗しやすいのが採寸です。ミリ単位での正確な計測を心がけましょう。
- ドアの幅
上部・中央・下部を測り、最も小さい数値を基準とします。新しいドアが入らない事態を防ぐためです。 - ドアの高さ
左端と右端の2カ所を測り、幅同様小さい方の数値を基準とします。 - ドアの厚さ
ドアの側面を測ります。厚すぎると閉まらず、薄すぎるとガタつきの原因になってしまうため、正確に把握しましょう。
- 蝶番の位置
ドアを支える金具「蝶番」の位置を、ドア枠の上端から各蝶番の上端までの距離を測って記録します。新しいドアを加工する際の基準となります。
必要な道具

DIYでドア本体を交換する際に必要な主な道具は以下の通りです。
| 道具 | 主な用途 |
| プラスドライバー/電動ドライバー | ネジの着脱。電動ドライバーがあると作業効率がアップします |
| メジャー | 正確な採寸に必須 |
| 鉛筆、定規 | マーキング |
| 作業用手袋 | 手の保護 |
| 水平器 | 取り付け時の垂直・水平確認 |
そのほか、下記は必要に応じて用意すると良いでしょう。
- ノミ、ハンマー(蝶番をはめ込むための座彫り加工に)
- キリ(ネジの下穴開けに)
- 木片やくさび(ドアを仮支えして高さ調整)
- 丸ノコや手ノコ(ドアの加工や調整が必要な場合)
- ボアビット(ドアノブの穴開けに)
■室内ドアを自分で交換する場合の具体的な手順
採寸と準備が整ったら、いよいよ交換作業に入ります。焦らず、一つ一つの工程を丁寧に進めましょう。
準備・古いドアの取り外し
- 作業スペースを確保します
- 床や壁を傷つけないよう、養生シートなどで保護します
- ドアを開いた状態で下側の蝶番から順にネジを緩めます
- ドアが倒れないよう支えながら全てのネジを取り外し、慎重にドア枠から取り外します
※一人では危険なため、必ず2人以上で行いましょう
新しいドアのフィッティング・加工
- 新しいドアに蝶番を取り付けます(古いドアの位置を参考に)
- 取り外したときと逆の手順で、上の蝶番からドア枠に固定していきます
- 仮止めの状態で一度ドアを閉めてみて、スムーズに開閉するか等を確認します
- 問題がなければ、すべてのネジを本締めして完成です
【注意点】
ドアの開閉がスムーズでない場合は、蝶番のネジの締め具合を微調整します。水平器を使って、ドアが正しく垂直・水平に取り付けられているかを確認することも重要です。
トラブル・失敗を防ぐチェックリスト
DIYでの室内ドア交換は、費用を抑えられる反面、失敗のリスクも伴います。以下のチェックリストを活用し、トラブルを未然に防ぎましょう。
- 採寸の再確認
幅、高さ、厚さなど、全ての寸法をミリ単位で複数回測る - 既存ドア、枠の状態確認
ドア枠に歪みや腐食がないか、建物自体の歪みがドアの不具合の原因ではないか
- 新しいドアの互換性
購入するドアが、既存のドア枠や金物(蝶番)と互換性があるか
- 工具と材料の準備
必要な工具と材料が全て揃っているか、正しいサイズや種類であるか
- 安全対策
作業用手袋や保護メガネなど、適切な安全装備を着用しているか。二人以上で作業できる体制が整っているか
- 手順の理解
交換作業の各手順を事前に確認しているか、不明点はないか
- 試運転と微調整
取り付け後、スムーズに開閉できるか、ガタつきや異音がないか(必要に応じて微調整を行う)
■失敗しない室内ドア選び&DIYアドバイス

デザイン選びで失敗しないコツ
【部屋のインテリアスタイルに合わせる】
モダンスタイルなら色味を抑えたクールなデザイン、北欧スタイルなら明るい木目やニュートラルカラー、和モダンスタイルなら木の素材感を活かしたシンプルなデザインなど、部屋のテーマに合ったドアを選びましょう。
【パーツにも注目する】
レバーハンドルや引き手、ガラスの種類(すりガラス、透明ガラス、ステンド調ガラスなど)によってもドアの印象は大きく変わります。細かい部分までこだわることで、より洗練された空間を演出できます。
【ショールームでの実物確認】
カタログやWebサイトだけでなく、メーカーのショールームに足を運び、実物の色や素材、デザインを確認することで、より具体的なイメージを掴み、失敗を防ぐことができます。
※ALMETAX STOREのショールームはこちら
【ライフスタイルを考慮する】
デザイン面だけでなく、今後の生活スタイルを考慮することも大切です。例えば、下レール不要の上吊り式引き戸にすれば、掃除の手間が減り、バリアフリー化も叶います。頻繁に交換するものではないからこそ、長い目で見たときの利便性にも注目するのがおすすめです。
業者への依頼がおすすめなパターン
なお、以下のような場合は、プロの専門業者に依頼することをおすすめします。
- ドア枠の歪みや破損がある場合
- 開閉方式の変更を伴う場合
- DIY経験がほとんどなく自信がない、または十分な工具がない場合
- 特殊なドア(防音ドア、断熱ドアなど)への交換
- 建物の構造に影響を与える可能性がある場合
- 仕上がりの品質を優先したい場合
業者に依頼する際も、複数の業者から相見積もりを取り、価格だけでなく実績、口コミ、担当者の対応などを比較検討するのがおすすめです。
■まとめ
室内ドアの交換は、住まいの印象を大きく変え、日々の生活の快適性を向上させる重要なリフォームです。
DIYでの交換は費用を抑え、自分好みの空間を実現する魅力がありますが、正確な採寸、適切な工具の準備、そして何より安全への配慮が不可欠です。
この記事で紹介した室内ドアの種類と特徴、DIYの手順などを参考に、まずは交換したいドアの現状と目的、タイプを明確にしましょう。
それらに応じて、本当にDIYで交換するのがいいのか、業者に依頼するべきかを慎重に検討するのがおすすめです。