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毎日使うランドリールーム、洗濯物を干したり畳んだり、洗剤をストックしたりと、物が多くなりがちなスペースですよね。気が付くと「なんだかジメジメする…」、「収納の奥に黒い点々が…!」なんて経験はありませんか?
この記事では、そんなランドリールームの収納とカビの問題を解決するための具体的な方法を徹底解説します。カビが発生する根本的な原因から、今日からすぐに実践できる予防策、湿気に強い収納アイデア、さらには万が一カビが発生してしまった場合の対処法まで、幅広くご紹介します。
■ランドリールームにカビが発生しやすい原因とは?
ランドリールームは家の中でも特に湿気がこもりやすく、カビにとって絶好の繁殖場所となりがちです。毎日使う場所だからこそ、清潔に保ちたいものですが、なぜカビが発生しやすいのでしょうか。主な原因を知ることで、効果的な対策を立てることができます。
高い湿度と換気不足

ランドリールームで最も大きなカビの原因となるのが、高い湿度です。洗濯機を使用する際には水蒸気が発生し、濡れた洗濯物からも水分が蒸発します。特に、入浴後の浴室が隣接している場合や、室内干しをする習慣があると、さらに湿度が上がりやすくなります。
また、窓がなかったり、あっても小さかったり、換気扇の能力が不十分だったりすると、湿気が室内に滞留しやすくなります。このような換気不足の状態が続くと、壁や天井、収納内部などに結露が生じ、カビの温床となってしまうのです。
洗剤カスや糸くずなどの汚れ
カビはホコリや汚れを栄養源として繁殖します。ランドリールームでは、洗濯物の糸くずや髪の毛、石鹸カス、洗剤の溶け残りなどが床や洗濯パン、排水口周り、収納棚の隅などに蓄積しやすいです。
これらの汚れは、湿度と結びつくことでカビの格好のエサとなります。特に見落としがちなのが、洗濯機の下や裏側、収納棚の奥など、掃除が行き届きにくい場所です。定期的な掃除を怠ると、気づかないうちにカビが広がってしまう可能性があります。
洗濯物の湿気と密集した収納

洗い終わった洗濯物をすぐに干さずに洗濯槽に入れっぱなしにしたり、湿ったバスタオルや衣類を収納内に直接しまったりすることも、カビの発生原因となります。洗濯物自体が持つ湿気が、閉鎖された収納スペースの湿度を上げてしまうのです。
さらに、収納スペースに物を詰め込みすぎていると、空気の通り道がなくなり、湿気がこもりやすくなります。特に、通気性の悪いプラスチックケースや密閉容器などに、ぎゅうぎゅうに衣類やタオルを収納している場合は注意が必要です。収納物同士が密着することで、さらにカビが繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
■今日からできる!ランドリールームのカビ対策の基本
ランドリールームのカビ対策は、特別な道具や大掛かりなリフォームをしなくても、日々のちょっとした心がけで大きく改善できます。ここでは、今日からすぐに実践できるカビ対策の基本をご紹介します。
こまめな換気で湿気を追い出す
最も手軽で効果的なカビ対策は、換気です。ランドリールームを使用した後はもちろん、日常的に窓を開けたり換気扇を回したりして、室内の湿った空気を外に逃がしましょう。窓が二方向にあれば、空気の通り道ができるため、より効率的に換気できます。
窓がない場合や、天候が悪くて窓を開けられない場合は、換気扇を積極的に活用してください。入浴後や洗濯中、洗濯物を干している間など、特に湿度が高くなるタイミングでは、長めに換気扇を回すことをおすすめします。
除湿器やサーキュレーターを活用する

換気だけでは湿気を取り除ききれない梅雨時期や、洗濯物の量が多い日には、除湿器の活用が効果的です。除湿器は室内の余分な水分を強力に吸収し、湿度を適切なレベルに保ってくれます。ランドリールーム専用の小型タイプや、衣類乾燥機能を備えたものなど、様々な種類があるので、自宅の状況に合わせて選びましょう。
また、サーキュレーターや扇風機を使って室内の空気を循環させることも、カビ予防に役立ちます。空気が滞留しやすい場所に風を送ることで、湿気が一箇所にこもるのを防ぎ、壁や床の乾燥を促します。洗濯物を室内干しする際には、サーキュレーターで洗濯物に直接風を当てると、乾燥時間を短縮でき、生乾きの臭いやカビの発生を抑えることができます。
カビの栄養源になる汚れを掃除する
前述の通り、カビはホコリや洗剤カス、糸くずなどを栄養にして繁殖します。そのため、ランドリールームを清潔に保つことがカビ対策の重要なポイントです。床や洗濯パン、排水口周りはもちろん、洗濯機の下や裏側、収納棚の隅なども定期的に掃除しましょう。
特に洗濯槽は、見えない部分にカビが潜んでいることが多い場所です。市販の洗濯槽クリーナーを使って、月に1回程度は洗浄することをおすすめします。また、洗剤や柔軟剤の投入口も汚れがたまりやすいので、こまめに拭き取りましょう。掃除の際には、カビの胞子を吸い込まないようにマスクを着用し、ゴム手袋を使用するなど、安全にも配慮してください。
■カビを防ぐランドリールーム収納のポイント
ランドリールームの収納方法を工夫することは、カビ対策において非常に重要です。湿気がこもりにくく、清潔さを保ちやすい収納を選ぶことで、カビの発生リスクを大幅に減らすことができます。ここでは、カビを防ぐためのランドリールーム収納の具体的なポイントを解説します。
通気性の良い収納用品を選ぶ

収納用品を選ぶ際には、素材や形状に注目し、通気性の良いものを選びましょう。例えば、メッシュ素材やラタン、ワイヤーバスケットなどは、空気が通りやすく湿気がこもりにくい特徴があります。逆に、プラスチック製の密閉容器や、布製の引き出しなどは、内部に湿気がたまりやすいため、使用する際には注意が必要です。もし使用する場合は、除湿剤を一緒に入れたり、定期的に中身を入れ替えたりするなどの工夫をしましょう。
壁面や天井を活用したオープン収納を取り入れる

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洗濯物は詰め込みすぎない
収納スペースに物を詰め込みすぎるのは避けましょう。衣類やタオルなどをぎゅうぎゅうに詰め込むと、空気の通り道がなくなり、湿気がこもりやすくなってしまいます。特に湿気を含んだ洗濯物を収納する場合は、カビの発生リスクが非常に高まります。
使用後のバスタオルや濡れた衣類は一時置き場へ

濡れたものは、風通しの良い場所で一時的に乾かすか、専用の一時置き場を設けるようにしましょう。例えば、ランドリールームにタオルハンガーや一時掛け用のポールを設置し、そこで乾かしてから洗濯カゴに入れる、あるいはすぐに洗濯するという流れを作るのが理想的です。
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■タイプ別!おすすめカビ対策収納アイデア
ランドリールームの形状や広さ、収納したいものは家庭によって様々です。ここでは、場所や物に応じた具体的なカビ対策収納アイデアをご紹介します。デッドスペースを有効活用したり、アイテムの特性に合わせた収納方法を取り入れたりすることで、より効果的にカビを防ぎ、使いやすいランドリールームを実現しましょう。
洗濯機周りのデッドスペース活用術

洗濯機の上部や横のわずかな隙間は、意外と活用できる収納スペースです。しかし、そのまま物を置くとホコリがたまったり、湿気がこもったりしやすいため、工夫が必要です。
洗濯機ラックや突っ張り棒式の棚を設置すれば、洗剤や柔軟剤、洗濯ネットなどをすっきりと収納できます。この際、棚板は格子状のものや、ワイヤー製のバスケットを選ぶと通気性が確保できます。また、洗濯機の側面にはマグネット式の収納グッズを取り付けるのもおすすめです。タオルハンガーや小物入れなどを設置すれば、場所を取らずに収納力をアップできます。
これらの収納は、床から離れているため、床掃除がしやすく、湿気の影響も受けにくいというメリットがあります。
洗面台下や棚のカビ予防収納
洗面台の下は配管があり、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい代表的な場所です。扉付きの収納になっていることが多いですが、密閉されているがゆえに換気が悪くなりがちです。
ここには、湿気に強いプラスチック製やステンレス製の収納ボックスを選び、直接床に置かずにすのこを敷くなどの工夫をしましょう。棚に収納する場合も同様に、奥までぎっしり詰め込まず、空気の通り道を作るように心がけてください。
タオルや衣類を湿気から守る収納方法
タオルや下着、パジャマなど、肌に直接触れる布製品は、特にカビから守りたいアイテムです。これらを収納する際は、通気性を最優先に考えましょう。引き出しにしまう場合は、不織布製の仕切りケースを使ったり、丸めて立てて収納したりすると、空気が触れる面が増え、湿気がこもりにくくなります。
■もしカビが発生してしまったら?正しい除去方法
どんなに気をつけていても、うっかりカビが発生してしまうことはあります。大切なのは、カビを見つけたら放置せず、早めに正しく対処することです。ここでは、カビが発生してしまった場合の正しい除去方法と、安全な作業のための注意点を解説します。
初期のカビ取りに有効なアイテム
壁紙や収納棚の表面などに発生したばかりの比較的軽いカビであれば、身近なアイテムで対処できる場合があります。
例えば、消毒用エタノールはカビの除菌に効果的です。乾いた布やキッチンペーパーにエタノールを含ませて、カビの部分を優しく拭き取ります。ただし、素材によっては変色や傷みの原因になることがあるため、目立たない場所で試してから使用しましょう。
また、重曹ペースト(重曹に少量の水を加えてペースト状にしたもの)をカビに塗布し、しばらく置いてから拭き取る方法も、研磨効果と消臭効果が期待できます。これらの方法は、塩素系カビ取り剤のような強い刺激臭がなく、比較的安全に作業できます。
カビ取り剤の安全な使い方
広範囲に広がってしまったカビや、ゴムパッキンなどに深く根を張った頑固なカビには、市販の塩素系カビ取り剤が有効です。ただし、塩素系カビ取り剤は非常に強力な薬剤であり、取り扱いには十分な注意が必要です。
使用する際は、必ず製品の表示をよく読み、記載されている使用方法や注意事項を守ってください。作業中はゴム手袋、マスク、ゴーグル(メガネ)などを着用し、皮膚や目に薬剤が直接触れないように保護します。また、換気を十分に行い、他の洗剤(特に酸性タイプのもの)と絶対に混ぜないようにしてください。
カビ取り後の再発防止策
カビを除去した後は、再びカビが発生しないように対策を講じることが重要です。まず、カビが発生した原因を特定し、改善しましょう。
例えば、換気不足が原因であれば換気の頻度を増やす、湿気がたまりやすい場所であれば除湿器を設置するなど、具体的な対策を行います。また、カビ取りをした箇所は、完全に乾燥させてから、防カビ剤を塗布したり、防カビスプレーをかけたりするのも効果的です。収納内部であれば、除湿シートや防カビシートを敷くのも良いでしょう。
そして何よりも、日頃からこまめな掃除と換気を心がけ、カビが好む環境を作らないことが、最大の再発防止策となります。
■リフォーム・新築時に考えたいカビに強いランドリールーム設計

これから家を新築する方や、ランドリールームのリフォームを検討している方は、設計段階からカビ対策を意識することで、より効果的にカビの発生を防ぐことができます。素材選びや間取りの工夫によって、湿気がこもりにくく、清潔さを保ちやすいランドリールームを実現しましょう。
ここでは、カビに強いランドリールーム設計のポイントをいくつかご紹介します。
調湿効果のある壁材を選ぶ
ランドリールームの壁材には、湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果のある素材を選ぶのがおすすめです。代表的なものとしては、珪藻土や漆喰といった自然素材があります。これらの素材は、室内の湿度が高くなると水分を吸収し、乾燥すると水分を放出する性質があるため、湿度を適切にコントロールし、結露やカビの発生を抑える効果が期待できます。
また、防カビ性能が付加された壁紙や、湿気に強いホーローパネルなども選択肢の一つです。デザイン性だけでなく、機能性も考慮して壁材を選ぶことで、快適なランドリールーム空間を作ることができます。
窓の設置場所と換気扇の性能
効果的な換気のためには、窓の設置場所と換気扇の性能が重要です。窓は、可能であれば2ヶ所以上に設置し、風の通り道を作ることで自然換気を促します。設置場所は、湿気がこもりやすい洗濯機周りや、空気の出口となる高い位置などが効果的です。
また、窓を開けられない場合や、より強力な換気が必要な場合に備えて、換気扇の性能も確認しておきましょう。浴室暖房乾燥機にランドリールームの換気機能が付いているタイプや、24時間換気システムと連動しているものなど、住宅の状況に合わせて適切な能力のものを選びましょう。換気扇の吸い込み口の位置も、湿気が発生しやすい場所の近くに設けると効率的です。
掃除しやすい床材の選択
ランドリールームの床は、水濡れや洗剤の飛び散りなどで汚れやすく、カビや雑菌が繁殖しやすい場所でもあります。そのため、耐水性があり、掃除がしやすい床材を選ぶことが大切です。クッションフロアやフローリング調のビニル床タイルなどは、水拭きが簡単で、洗剤などがこぼれても染み込みにくいため、清潔さを保ちやすいです。
また、目地が少ない、あるいは目地がないフラットな床材を選ぶと、汚れがたまりにくく、掃除の手間も省けます。床材の色は、汚れが目立ちにくいものを選ぶという考え方もありますが、逆に汚れが見えやすい明るい色を選んで、こまめに掃除する習慣をつけるというのも一つの方法です。
■まとめ
ランドリールームの収納とカビ対策について、原因から具体的な方法、さらにはリフォーム時のポイントまでご紹介しました。カビは見た目の不快さだけでなく、健康への影響も懸念されるため、日頃からの対策が重要です。こまめな換気と掃除を基本とし、通気性の良い収納を心がけることで、カビの発生リスクを大幅に減らすことができます。
この記事で紹介したアイデアを参考に、ご自宅のランドリールームを、より清潔で使いやすい、快適な空間にしてください。