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近年、インテリアスタイルとして高い人気を誇る「インダストリアルモダン」。工場の無骨な雰囲気と、都会的で洗練されたモダンな要素を組み合わせたスタイルです。
しかし、それぞれの要素をどのように取り入れ、バランスを取れば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インダストリアルモダンインテリアの基本的な考え方から、おしゃれな空間を作るための具体的なポイント、アイテム選びのコツまで詳しく解説します。ぜひ参考にして、あなただけの理想の空間を実現してください。
■インダストリアルモダンインテリアとは?
インダストリアルモダンインテリアは、19世紀から20世紀初頭の工場や倉庫で使われていたような無骨なデザイン(インダストリアル)と、現代的で無駄のない洗練されたデザイン(モダン)を融合させたスタイルです。
コンクリートやスチール、古材といった素材感を活かしつつ、シンプルで直線的な家具を配置することで、力強い印象と都会的でスタイリッシュな印象を両立させることができます。
無骨な素材感と洗練されたデザインの融合
インダストリアルモダンの最大の魅力は、相反する要素の絶妙な組み合わせにあります。古材の温かみとスチールの冷たさ、レザーの重厚感とガラスの透明感といった、異なる素材や質感をミックスさせることで、空間に深みと個性が生まれます。ただ無骨なだけでなく、どこかにモダンでシャープな要素を加えることで、洗練された大人のための上質な空間が完成します。
インダストリアルとモダンの違いを比較
インダストリアルとモダンは、それぞれ異なる特徴を持つスタイルです。その違いを理解することで、両者をバランス良く組み合わせるヒントが見つかります。
特徴 | インダストリアル | モダン |
コンセプト | 工業的、無骨、ヴィンテージ | 現代的、シンプル、機能的 |
主要な素材 | スチール、コンクリート、モルタル、レンガ | ガラス、クロム、プラスチック、光沢素材 |
カラー | ダークブラウン、ブラック、グレー | ホワイト、ブラック、グレー、モノトーン |
デザイン | 実用性重視、装飾性が低い、使い込まれた風合い | 直線的、幾何学的、無駄のないフォルム |
与える印象 | 力強い、 重厚感 | シャープ、都会的、洗練されている |
■インダストリアルモダンな空間を作る基本ポイント
インダストリアルモダンなインテリアを実現するためには、いくつかの基本的なポイントがあります。配色、素材、家具選び、そして全体の印象を意識することで、統一感のあるおしゃれな空間を作り出すことができます。
配色は無彩色をベースにまとめる

空間全体の配色は、ホワイト、グレー、ブラックといった無彩色を基本にすると、モダンで落ち着いた雰囲気を演出できます。 ベースカラーを広く使い、そこにアクセントとしてダークブラウンやネイビーなどを加えると、空間が引き締まります。色数を抑えることで、素材それぞれの質感が際立ち、インダストリアルな要素とモダンな要素が調和しやすくなります。
異素材の組み合わせでメリハリを付ける
インダストリアルモダンの醍醐味は、異素材の組み合わせにあります。例えば、コンクリートの壁に無垢材のテーブル、スチール脚のチェアにレザーのソファといったように、硬質な素材と温かみのある素材を意識的にミックスさせましょう。 この素材感の対比が、空間にリズムと奥行きを与え、単調になるのを防いでくれます。
家具は直線的でシンプルなデザインを選ぶ

空間に配置する家具は、モダンな要素を意識して、装飾の少ない直線的でシンプルなデザインのものを選びましょう。 派手な装飾がない分、素材の良さやフォルムの美しさが際立ちます。特に、アイアンやスチールといった金属製の脚を持つ家具は、空間にインダストリアルな雰囲気を加えつつ、シャープでモダンな印象を与えるため、積極的に取り入れたいアイテムです。
生活感を抑えすっきりとした印象を保つ
インダストリアルモダンインテリアは、そのスタイリッシュな雰囲気を保つために、生活感を上手に隠すことが重要です。収納家具を活用して物は見えないように整理し、表面に出すアイテムは厳選しましょう。ケーブル類はカバーで隠すなど、細部にまでこだわることで、モデルルームのような洗練された空間を維持できます。
■【アイテム別】インダストリアルモダンな部屋作りのコツ
基本的なポイントを押さえたら、次は具体的なアイテム選びです。ソファやテーブル、照明といった主要なアイテムを効果的に選ぶことで、理想の空間にぐっと近づきます。
主役となるソファはレザーやファブリックで選ぶ

リビングの主役であるソファは、空間の印象を大きく左右します。ヴィンテージ感のあるレザーソファはインダストリアルな雰囲気を高める定番アイテムですが、重厚感が出すぎると感じる場合は、チャコールグレーやネイビーといった落ち着いた色のファブリックソファもおすすめです。 形は、シンプルなデザインのものを選ぶとモダンな要素をプラスできます。
テーブルはアイアンやスチール脚が定番

ダイニングテーブルやリビングテーブルは、天板に古材やウォールナットなどの木材、脚部にアイアンやスチールを使用したものが定番です。 天板の素材で温かみを、脚部の素材で無機質でインダストリアルな雰囲気を加えることができます。ガラス天板のテーブルを選ぶと、よりモダンで都会的な印象が強まります。
照明はデザイン性の高いペンダントライトを取り入れる

照明は空間を照らすだけでなく、インテリアのアクセントとしても重要な役割を果たします。工場で使われていたような無骨なデザインのペンダントライトや、複数の電球が露出したデザインの照明は、インダストリアルな雰囲気を一気に高めてくれます。 また、壁や天井を照らすスポットライトを使い、陰影を作ることで、空間に立体感と奥行きが生まれます。
小物でグリーンやアートを飾り温かみをプラスする

無機質でクールな印象になりがちなインダストリアルモダンな空間には、小物で温かみや彩りを加えるのがポイントです。観葉植物のグリーンは、無彩色でまとめられた空間に生命感と癒やしを与えてくれます。また、壁にモダンなアートパネルを飾ったり、肌触りの良いラグやクッションを置いたりすることで、リラックスできる居心地の良い空間になります。
■【部屋別】インダストリアルモダンインテリアの事例
ここでは、部屋別にインダストリアルモダンインテリアのコーディネート実例を見ていきましょう。リビング、キッチン、寝室それぞれの空間で、ポイントを活かした素敵な部屋作りが可能です。
開放的で過ごしやすいリビングダイニング

リビングダイニングは、家族や友人が集まる家の中心的な場所です。天井を高く見せるために、コンクリート打ちっぱなしの壁紙を選んだり、配管をあえて見せるデザインにしたりすると、開放的でインダストリアルな雰囲気が高まります。レザーソファを配置し、黒いペンダントライトを吊るせば、カフェのようなおしゃれな空間が完成します。
機能美を追求したスタイリッシュなキッチン

毎日使うキッチンは、デザイン性だけでなく機能性も重視したい場所です。作業台や収納棚にステンレスを取り入れると、プロの厨房のようなクールで機能的な印象になります。壁にはサブウェイタイルを貼ると、モダンで清潔感がアップします。手元を照らす照明には、シンプルなデザインのスポットライトやペンダントライトが最適です。
心地よい眠りを誘う落ち着いた寝室

一日の疲れを癒やす寝室は、落ち着いた雰囲気を大切にしましょう。壁の一面だけをグレーやダークブラウンなどのアクセントウォールにすると、空間が引き締まり、リラックス効果が高まります。ベッドフレームはシンプルなアイアン製や、ヘッドボードに古材を使ったものがおすすめです。照明は明るさを抑えた間接照明や、調光機能のあるスタンドライトを選ぶと、心地よい眠りを誘う空間を演出できます。
■まとめ
インダストリアルモダンインテリアは、無骨さと洗練さという対照的な要素を組み合わせることで生まれる、奥深い魅力を持ったスタイルです。配色や素材、家具選びの基本ポイントを押さえることで、誰でもおしゃれで居心地の良い空間を作り出すことができます。この記事を参考に、あなたらしいインダストリアルモダンな部屋作りを楽しんでください。